「片隅に置かれていた女性政策を本気でやります」
稀にみる混戦を勝ち抜いて、14兆円近くの予算(一般会計、特別会計、公営企業会計を含む)を握り、約16万人の公務員を従える東京都知事に就任した小池百合子都知事。政党や大きな組織の援護がない中で、290万票超を獲得し、いよいよ小池都政がスタートする。
選挙戦終盤には、石原慎太郎元都知事から「厚化粧女に(都政を)任せるわけにはいかないよ」などと、女性蔑視ともとれる発言が話題となったが、小池氏は街頭演説の中で、
「これまで片隅に置かれ、アリバイづくりのように政策に記載されてきた女性政策を、本気でやります。意思決定のトップにさせてもらえれば、すぐにやります」
と明言。決して屈することのない姿勢が、さらなる女性からの人気にもつながったようだ。“初の女性都知事”ということで、女性を中心に期待する声や責任を果たして欲しいという声があがっているが、いったいどんな女性政策を掲げていたのか。ここで改めて振り返ってみよう。
まず、今回の都知事選で掲げていた3つの「新しい東京」の中の「ダイバーシティ」(多様性)政策の中で、<女性が健やかに希望を持って、生き、学び、働き、愛し、子供を産み、育む社会を実現する>と主張している。
6月29日の出馬表明会見から、
「(社会が)女性が輝くということで進めておられますけども、それを体現できるのが東京の『女性知事』ではないかと思っています」
と強調。自らが女性のトップリーダーになることで、女性に対する風向きを変えていこうということだ。世界に目を向けてみると、ドイツではメルケル首相が10年以上首相を務め、イギリスではメイ首相が誕生し、米国ではヒラリー・クリントン氏が大統領選を戦っていて、多くの女性が活躍している。だが、日本では政界だけでなく企業でも女性のトップは少なく出遅れているので、女性が輝くために、自らがロールモデルとなるというのだ。前例のない女性都知事のため、まだまだ未知数だが、就任した今、期待の眼差しが向けられている。
さらに、公約として<「待機児童ゼロ」を目標に保育園受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直す。保育ママ・保育オバ・子供食堂などを活用して地域の育児支援態勢を促進する>と主張している。保育園の規制緩和策を打ち出し、保育所を確保するためには、空き家などを利用した小規模保育所なども有効だというのだ。