音声指導はいまの入試に対しても最強の方法である

【三宅】予備校では「志望校に合格させる」ということは最大のミッションということになるでしょう。今回の英語教育改革の流れを受けて、先生の指導法というのも、大きく変わられたのではないですか。

【安河内】偉そうなことを言っている手前、自分自身の授業も変えなければなりませんでした。というわけで、過去に収録した映像授業は消せないにしても、ライブの授業はすべて変えました。現在ではすべてのライブ授業では、音声をフル活用したアクティブ・ラーニングをやっています。

『対談! 日本の英語教育が変わる日』三宅義和著 プレジデント社

【三宅】教え方が変わったことに対する生徒の皆さんや保護者からの反応はいかがでしたでしょうか。例えば高等学校の現場では、大学受験に出ないスピーキングの練習をすることに対して、4技能指導を実践したい中学校・高等学校の英語教員の方も、受験生や保護者からの反対も多くて、あるいは同僚の先生方の賛同が得られなくて悩まれているという声も多く聞くのですが。

【安河内】現在の入試に対しても高い実績も出せましたし、生徒たちも、大歓迎してくれました。なぜかというと、生徒、保護者を問わず、音声教育の重要性を論理的にしっかりと説明しているからです。出版業界や塾・予備校業界の「ウラのウラ」まで包み隠さず話すことによって、かつてのやり方では、現在の入試にも対応できないことを説明しています。

やはり、生徒や保護者に共通の認識を確立することは成績を上げるために重要ですからね。私は、現在、学校法人麹町学園の英語科の特別顧問もやっていますが、この学園では音声中心の英語教育へと舵をきりました。学習環境も英語に親しめるように工夫し、着実に成果をあげつつあります。

(岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)
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