●帝京大学医学部 外科准教授 新見正則先生の場合

燃焼機能のない人は脂肪を蓄え続けてしまう。これを解消するには運動して脂肪を燃やす体を作るしかない。しかし、平日に早起きして運動するなど夢のまた夢、というビジネスパーソンも多いだろう。

「通勤時間は運動不足解消にもってこい。歩きましょう」と言うのは、帝京大学医学部 外科准教授の新見正則氏だ。「歩く速度、距離も人それぞれですが、理想は30分。うっすら汗をかく手前の運動強度で、15分以上歩くこと。汗をかいて冷えたのでは体に悪いので、汗をかくちょい手前で終える。できればちょっと速足で、エスカレーターは使わず、階段は上ること。電車も座る必要はありません。立ってバランスを取るのも、いい運動になります」。

通勤ラッシュで四方から押され、バランスを取るどころではなく、毎日イライラしてしまう人には「レジリエンス(復元力・元に戻る力)は前向きに考えることで鍛えられるものですが、ラッシュでヘトヘトになってしまうなら、電車に乗る時間を早めたり、思い切って引っ越すなど、“逃げる”のも手です。私も、通勤時間に耐えたり、うまく使う自信がないので、自宅は常に職場近くにしていますよ」

予防医学研究者 医学博士 石川善樹
1981年生まれ。東京大学医学部を経て、ハーバード大学大学院修了。企業・組織の健康づくり調査・研究などを行うCampus for Hおよび、がん検診の受診率をあげる、キャンサースキャンの共同創業者。近著に『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座。
 
帝京大学医学部 外科准教授 新見正則
1959年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、オックスフォード大学大学院に留学、98年博士課程修了。2002年より現職。医学博士。漢方も使える臨床医、移植免疫の研究者でもあり、13年イグ ノーベル賞受賞。著書に『3秒でわかる漢方ルール』『長生きしたけりゃデブがいい』ほか多数。
(PIXTA=撮影)
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