デキる人事採用担当者はどんな人材か

6月1日の就職面接解禁までわずかとなったが、すでに「内々定」を得ている学生も多い。

2016年卒、2017年卒の就活は面接解禁までが実質的な選考期間となっている。売り手市場の中で、3月の説明会解禁後の短期間でいかに優秀な学生を獲得するのか。

人事担当者の能力が以前にもまして厳しく問われている。人を選考する立場の人は、一方では選考される立場でもあるのだ。

転職市場ではそうした優秀な人事担当者を求める企業が増えている。リクルートキャリアの人事職の「転職求人倍率」は2015年5月の0.9倍から右肩上がりに推移し、今年4月は1.3倍を超えている。

求人企業はどんな人材を欲しがっているのか。

実際に転職エージェントから誘いを受けている大手電機メーカーの人事担当者はこう語る。

「ITベンチャー系など中堅企業のオファーが多く、とくに欲しいのが、採用ができる人。しかもダイレクトリクルーティングができる人が欲しいそうだ。アメリカではフェイスブックなどSNSを使ったダイレクトリクルーティングが主流だが、日本のIT・ベンチャーは採用のための予算が少ないこともあって、その人の人脈、SNSなど独自の手法で会社が求める人材を採用できる人のニーズが非常に多いと聞いている」

一般的な採用手法は、就職サイト(リクナビ、マイナビなど)を使って母集団を形成し、エントリーシートや面接を通じて機械的に絞り込んでいくパターンだが、そんなことは誰でもできる。

今どきの人事担当者は少なくともSNSを使って採用ができるぐらいの技量がなければ転職さえできないのだ。