親が子の「愛され力」と「面構え」をつくる

私事で恐縮だが、この春、新社会人として働き出したウチの娘の隣には1期上に当たるブラジル人のお兄さんが座っているらしい。ブラジル人と言っても、フランス人とイタリア人のハーフだそうで、アメリカの大学を出ている。

そこは純粋なるドメスティック企業なんだが「その人とは何語で意思疎通を図るのか? アンタ、英語(も)できないじゃん?」と聞いたら、娘はこう答えた。

「日本語だよ? 『なんでやねん!?』って流暢な大阪弁でつっこんでくる」

彼は日本に興味があったので、日本語を学び、その延長線上で日本の企業に就職したんだそうな。つまり、彼は20代後半で5か国語を普通に話せるということになる。

嗚呼、もう世の中はこういう時代なのか!? とびっくりした。イジンさんウヨウヨは外資系企業だけの話かと思っていたら、今や、純国産企業にも普通に世界中から「この会社で働きたいから」という理由だけで人材が押し寄せている。

人材のグローバル化というものは思うよりもスピードを上げているに違いない。

今の学生さんはそういう背景も抱えながら「地球規模」のライバルたちと共に就職戦線を戦わなくてはならないのか!? とその厳しさに身震いしてしまうほどだ。

私は長年、子育て系の取材を重ねているが、昨今はその延長線上で子育ての着地点とも言える「就活事情」を垣間見ることも多くなってきた。就活戦線を戦った本人やら採用担当者らと直接、話をする中、最近はこんなことを強く感じている。

就活で一番、大事なポイントは結局「面構え」ではないかと。