「自分には長所がある」と思う子の率は「世界最低」
2014年に内閣府が発表した「子ども・若者白書」(*)は教育関係者を中心とした「おとな」に衝撃を与えるものだったが、2年経ったからと言って、その数値が爆発的に好転したということには恐らくなってはいないだろう。
(*2013年11~12月に、日・米・韓・英・独・仏・スウェーデンの各国で13歳から29歳までの男女約1000人にネット調査を実施。日本が圧倒的最下位だったのは「自分自身に満足している」「自分には長所がある」「将来への希望」「40歳になったとき幸せになっているか」などの項目。逆に、圧倒的最高位だったのは「つまらない・やる気が出ないと感じたこと」「悲しいと感じた」「ゆううつだと感じた」といった調査結果)
私はこの子どもたちが感じる息苦しさは、同時にこの子どもたちの親世代が感じている不安感の現れがダイレクトに子どもたちにぶつけられた結果だと感じている。
今は子育てがものすごくしづらい時代なのだ。(私は個人的には「少子化担当大臣に無責任に投書する人」になりたいと思っている。いいアイデア、持ってまっせ?! http://to-rinko-houmonki.blogspot.jp/2015/10/blog-post_99.html ←筆者の少子化対策)
しかし「子育てがしづらいから」がすべての免罪符になっていてもいけない。
どうにか、子どもたちの自己肯定感を上げて、彼らが40歳になったときには高額納税者となって幸せを感じながら、その頃、老人となる私たちを支えてくださらないと困るのだ。
今日は「自分には長所がある」の項目が68.9%(他国93.1~73.5%)で最下位になってしまったわが国の子育て事情について考えてみたい。
これは個々の子どもの特性というよりも多分にその親がわが子の長所を語れなかったからだと思っている。聞かされて育っていないから、わからないのも無理はない。
では、どういうタイプの親が「語れない」ということになるのか事例を出してみよう。