人事担当者「面構えで内定出しました」
あるメーカー系有名企業でこんなことがあった。学歴フィルターはないと言い切る会社ではあるんだが、結果として「あるやん!?」ってことになっている。
その会社のレベルでは学歴偏差値的には少し見劣りする大学出身の子(男子)が入社することになった。人事担当者はこう言っていた。
「アイツは面構えがいいんで、採用しました」
就活内定は学歴の上に資格を取ったり、ボランティア活動で海外に行ったり、サークル活動に勤しんだりして「保険」を積み上げて来た有能学生だけのものではないのだ。
就活戦線に勝利する能力はいろいろあるし、業界によっても「傾向と対策」は必須であるが、それを全部差し置いたとして、詰まるところ「面構え」の善し悪しで決まっているような気がして仕方ない。
「面構えが良い」というのは顔立ちが良いとか、ルックスが良いということではない。目力がある、信念がある、自己解決能力がある、真面目である、賢いなどの己の長所が顔ににじみ出ている子を指すのであるが、一言で言い切るならば、ズバリ「コイツと一緒に仕事がしたい」と思われるかである。
私はこの能力を「愛され力」と言い換えているが、観察するに、この「愛され力」が高い順に内定をゲットしているように思っている。
「愛され力」は言うなれば各家庭でしっかりとその存在を認められて育って来た子どもに備わるもので、生まれて来てから、就職年齢までの長い時間をかけて熟成された力なのだ。つまり、就活は「今、この瞬間」ではなく「今まで」の生き方を見られるということだ。
実際、ある大人気のIT企業の採用担当者T氏はこう言った。
「内定の取れる子と取れない子の違いは、社会で働くことの目標がある人とない人の差です。そこがまず分岐点になり、その中で行動を起こせている人といない人に分かれます。
自分の将来像をしっかりと持っていて、それを実現する行動力がある人は将来性のある人材の可能性が高いのです」
要は「働く」ということをどのくらい真剣に考えているのか、自分の将来を考え抜いているのかをチェックして、軸が備わっている子なのかどうかを確かめたいということらしい。