先端が尖り、反っているビジネス靴をはく男性が増えている。特に女性には不評だが、愛用するのはナイーブな「意識高い系」のようだ――。
なぜ、先の尖った靴の男は嫌われるか?
女性の靴はいくらでも先が尖っていても良い風潮、でもなぜか男性の先が尖った靴は評判が悪いです。
ナルシストっぽいとか、ダサいとかさんざんな言われよう。一昔前は、ホスト系の男性がよくはいていることから、チャラい男性のイメージが強かった尖り系シューズ(ポインテッドトゥと呼ぶらしいです)。
しかし最近は、ビジネスマンが尖った靴を好みがちです。
最初に違和感を覚えたのは、平日の夜、ラッシュの電車内。仕事帰りの疲れた会社員男性の足元を見ると、異様に尖っていて、3、4人に囲まれると妙な圧力があります。ホストや遊び人の男性の尖った靴とは違う、ビジネスシューズ仕様で、ただ先端が伸びている感じで、見ているとゾクゾクしてきます。
デザイン的にラインがパースのようについていて、鋭角を強調しているタイプも。三角形の頂点が点ではなく線で、完全に尖っていない中途半端なデザインが多いのもモヤモヤさせられます。
紳士服屋に行ってビジネスシューズをチェックすると、先が反って上向いている、というタイプも多く見られました。10度位の結構な反り具合です。そして伊勢丹メンズ館など、ハイセンスな店では、イタリア系など若干尖っていますが、そこまで激しくない印象でした。インポートの高級な靴をはけるくらいの人は、余裕があるのでそこまで靴で攻撃的になる必要がないのかもしれません。
尖った靴はどのような人がはいているのでしょう。
中世の絵画でタイツに先が尖った靴を合わせている貴族の男性を見た記憶があるので、当時は身分が高い人の間で好まれていたのかもしれません。近年ですと、映画『レニングラード・カウボーイズ』の尖りきった靴が思い浮かびますが、派手な衣装と合わせるとそんなに違和感なく、中途半端な尖り方ではないのでむしろかっこいいです。