激しい倍率をくぐりぬけ、アナウンサーに
「私は、学歴にあまり関心がないのです。ほかの人にどこの大学を卒業しているの? と尋ねたことがなく、同じ会社や職場にいる人の学歴も、ほとんど知らないのです」
テレビ神奈川(tvk)のアナウンサー・三崎幸恵さんが落ち着いた雰囲気を醸し出しつつ、淡々と話す。
数年前まで、神奈川県内の様々な地域を訪ね歩く番組「あっぱれ! KANAGAWA大行進」で、タレントのデビット伊東さんと絶妙なかけあいで視聴者を楽しませていた様子とはまったく違う。
「学歴を1つの肩書のようにとらえて、それを持っているだけで効力がある、という感覚は私にはないです。出身地とか血液型のような、話題のとっかかりぐらいに思っています。その意味では、学歴は1つのフックかもしれませんね」
2015年の新春、箱根駅伝で母校・青山学院大学が初優勝したとき、喜ぶ社員が数人いた。その人たちが同窓であることを知った。
「あなたも青学だったの? 私もなの、といった会話をした覚えがありますが、そのときのことも正確には覚えていないのです(笑)」
中学校の頃に、アナウンサーになりたいと思うきっかけがあった。教育実習で訪れた大学生が、地元のテレビ局にアナウンサーとして内定をもらっていたようだった。
「その方から、三崎さんは将来、アナウンサーになるといいかもしれないね、とおっしゃっていただいたのです。その言葉が、大きなきっかけになりました」
生まれ育った福井市(福井県)の高校を卒業後、1992年、青山学院大学法学部に入学した。アナウンサーになることを意識し、入ったのだという。放送に関するサークルに所属していた。
「キャンパスライフを楽しんでいましたよ。アナウンサーになるために、アナウンスセミナーには3カ月ほど、情報収集をかねて通っていました」