大学院を修了し、コンサルティングへ
「学歴は、10~20代の頃に“最低限度のハードル”を飛び越えたことを意味するものだと思います。その時点では、それなりの知的レベルだったことを立証する指標の1つなのでしょうが、その後の人生は、それぞれの方によって違いがあるでしょうね」
経営コンサルティング会社・シャイニング代表の下田令雄成(れおな)氏(40)が語る。群馬県の前橋高校を卒業後、1994年に横浜国立大学工学部に入学し、大学院工学研究科(電子情報工学専攻)に進んだ。在学中、スポーツクラブ(現コナミスポーツ)でテニスコーチのアルバイトをする中、コーチングやマネジメントに強い関心を持った。
「ほかの多くのアルバイトコーチは、時給が安いなどと不満を言っていましたが、私はむしろ、興味を持ったのです。コーチのモチベーションを上げ、スクールの売り上げを増やして、時給を増やすためにはどうすればいいのか、と。そんなことを考えるのがおもしろかったですね。この延長線上の仕事をしたいと思い、進んだのが、経営コンサルティング業界だったのです」
大学院の先輩たちの多くは大手メーカーの研究職などになっていたが、コンサルティング業界に絞り、就職活動をはじめた。第1志望は、アンダーセンコンサルティング(現在はアクセンチュア)、第2志望は野村総合研究所だった。
「大学院推薦で、メーカーなどに入ることはたぶんできたのでしょうけれど、この頃、すでに、いつかは会社を経営してみたいとも考えていました。まずは、コンサルティング会社に入り、マネジメントなどを学びたいと思ったのです」
念願が叶い、アンダーセンコンサルティングから内定を得ることができた。就活のプロセスで、学歴について考えることはあまりなかったという。
「コンサルティング業界にエントリーするのはもともと、高学歴な学生が多いですから。学歴だけで判断しようとしても、難しいと思います。面接試験を終えると、そこで知り合った学生たちとカフェでお茶をするときがありますよね。東大の女子とも話しましたが、マネジャー面接で落ちたようでした。エントリー者数が多いときは、初めに学歴をもとにふるいにかけるかもしれませんが、その後は、面接などを通して、きちんと判断していると思います」