人が輝きつづける場の創造
テニススクールで再び、教えることにした。週6日、フル稼働だった。どのようにしたら、人がやる気になるのか、スクールの売り上げを増やすことができるのかと考え抜いた。一方で、研修企業から依頼を受けて、講師の仕事をはじめた。最初は、小中学生などに、ビジネスゲームを通じて起業家精神を教えるものだった。
2005年、30歳のとき、シャイニングを創業した。企業研修や学校教育での講師、人事・組織コンサルティング、さらには、スポーツ振興なども手掛ける。「人が輝きつづける場の創造」をミッションにした。
「場づくりを大切にしていて、異業種交流会やスポーツ交流会などを主催しています。例えば、ワイン会や経営者が参加するテニス会などです。テニス会は、毎月1回のペースで、20人前後の方が集います」
創業と同時期、経営者団体にも入り、地区長や役員などを経験し、様々なイベントの企画・開催にも関わった。2011年には、東北の震災への支援を会員である経営者とともに、被災地へ何度も向かった。
「会員である経営者の方のバックグランドは、多様です。2代目、3代目の経営者もいたり、創業者もいたりします。業種などもバラエティーに富んでいます。イベントをしようとすると、思うようには進みませんから、人間関係にも慣れますね(笑)。それが、ダイバーシティ・マネジメントの勉強にもなります。研修で話すときや、コンサルティングの材料にもなりますから、貴重な場です。
10年ほど前までは、経営者のなかに、中卒や大学中退の方も多くいたのですが、最近は減りましたね。2代目、3代目の経営者には、海外の大学を卒業した人も目立つようになってきました」
創業から10年が経った。今は経営者とのつながりができて、経済団体や企業での講師を依頼される機会が増えてきたようだ。
「創業の頃は、研修会社などからの依頼が多かったのですが、今では、企業や団体から直接、オファーをいただくほうが多くなりました。講師をした後、コンサルティングの依頼を受けるようにもなっています。私の場合、学歴をビジネスの場で問われることはほとんどありませんが、横浜国大の大学院を卒業していなかったら、今の仕事はやりにくかったかも知れません」