商談、度重なる会議、毎日のように続く会食。忙しさに加え、その肩には重いプレッシャーがのしかかる。社長たちはどうやって、心身をリフレッシュしているのか。
自然の中でこそ人間性を回復できる
「ストレスを感じている」なんて言ったら、社員からツッコミが入るでしょうね。それほどまでに「好きなこと」を仕事にしていますし、社員にも楽しんで仕事をしてほしいので、社内にフィットネスマシーンを導入して就業時間内でも30分間使用可能にするなど、工夫をしています。
弊社はアウトドア製品を扱う企業で、もちろん私も熱烈なアウトドア人間。特にキャンプと釣りが趣味で年に30~60泊キャンプする弊社製品のヘビーユーザーです。社員採用の際も「アウトドア大好き」が絶対条件。なぜなら私も含めて社員自身が厳しい消費者でなければ、商品の細かい良し悪しがわかりませんし、選ばれるブランドになりえないと考えているからです。
新潟県三条市の本社敷地内にキャンプ場を設け、顧客だけではなく、私や社員もテントを張って一夜を過ごし、そのまま出社、なんて日もあります。ユーザーとのキャンプイベントも行っていますが、そこでお客様と社員が同じ趣味を共有して親しい関係を築き、忌憚のない本音のご意見を頂戴できるのが強みです。
東京の大学を出て入社した外資系商社での4年間は、朝から晩まで働き詰めでした。自然から遠ざかり、体が癒やしを求め始めていると感じた頃、父から戻ってこないかと言われました。しかしその後、1996年に社長に就任してから暫くも辛かった。アウトドアブームが終わり、夜中1~2時まで体調を崩すほど働いても業績は低迷。仕事を楽しめないうえ、売り上げが立たない状況に疑問を感じ、われに返りました。そこから抱え込んだ業務を分担し、私は社長としてベクトルを示すことに集中する今のスタイルになりました。