ちょうどその頃、社員の提案でユーザーとのキャンプイベントを始めたので、空いた時間をそれに費やしました。「ああ、自然に触れるっていいなあ」と、人間性を回復できた実感がありましたし、何よりそこでお客様から生の声を聞けたことが、V字回復につながったのです。

若いうちは多少無理して働く時期があったほうがいいと思いますが、年を重ねた今は、配分が大事だと思います。先月(2014年12月11日)、東京証券取引所マザーズに上場したため、比較的忙しい日が続きましたが、通常社内にいるのは4時間ほど、あとは人と会う時間などです。

今後も、普段の生活の中で自然を感じて豊かな時間を楽しめるような、新しいライフスタイルの提案をしていきたいと考えています。

【QUESTION】ハードワークでしんどいです
私が仕事に追われ辛かった時期、救ってくれたのは自然でした。子供の頃からキャンプや釣りに親しんできましたが、仕事に忙殺されていたときは遠ざかっていた。今は自分のペースがありますが、それでも辛くなると3日くらい、1人で山に籠もります。やはり、自然との触れあいは大事です。
スノーピーク代表取締役 山井 太
新潟県三条市生まれ。明治大学卒業。1986年、父が創業した会社に入社。アウトドア用品の企画開発を始め、オートキャンプブランドを築く。96年社長就任。著書に『スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営』。
(中沢明子=構成 岩田亘平=撮影)
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