“3.11”が引き起こした火山の活発化
ここ数年、日本各地で噴火が相次いでいる。
長野県と岐阜県の県境にある御嶽山は2014年9月27日の噴火で、死者・行方不明者合わせて63名という、戦後最悪の噴火被害をもたらした。今年の5月には鹿児島県の口永良部島の噴火により全島民に避難命令が出された。続いて6月末には、神奈川県と静岡県の県境にある箱根山の火山活動が活発化し、入山規制が実施されている。長野県と群馬県の県境にある浅間山でも、6月に小規模な噴火が観測され、警戒が強まっている。鹿児島の桜島では、60年前に観測を始めてから最も頻度の高い噴火を繰り返している。
各地で一斉に火山活動が活発化した原因は、他ならぬ11年3月11日の東日本大震災である。震災発生直後から、焼岳、乗鞍岳、草津白根山、浅間山、箱根山など、測定機器が設置されていた20ほどの活火山の地下で、マグマの挙動の変化にともなう地震が増加し始めた。
日本列島はユーラシアプレート、北米プレートという2つの「陸のプレート」上に乗っている。そのすぐ東に、太平洋プレートとフィリピン海プレートが迫り、この2つの「海のプレート」が日本列島のすぐ横で2つの陸のプレートの下に潜り込んでいる。世界中の陸地を探しても、4つものプレートがぶつかりあうような地点は他に例がない。日本列島はこれらのプレートの相互作用により、境界沿いに陸のプレートの一部が隆起して生まれた島なのだ。
この成り立ちが、世界屈指の地震・火山大国たるゆえんである。