今後20年、日本の最重要課題は南海トラフ地震

日本に限らず、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9クラスの巨大地震が発生すると、その後、数十年にわたって周辺の火山活動が活発化するという“法則”がある。

20世紀以降、世界ではM9クラスの地震が6回発生しており、そのすべてのケースで数年以内に、震源域周辺で噴火が発生しているのだ。

04年にインドネシアのスマトラ島沖で起きた巨大地震では、4カ月後にスマトラ島のタラン山が噴火し、4万人の住民が避難を余儀なくされた。2年後の06年には隣接するジャワ島でムラピ火山が噴火を始め、10年には400人以上の人々が火砕流の犠牲となっている。

東日本大震災の震源となった宮城県沖では、これまで30数年ごとにM7クラスの地震が発生していた。その程度の地震であれば問題は生じなかったが、東日本大震災では、宮城県沖から茨城県沖まで3つの震源が連動したため、西暦869年の貞観地震以来の巨大地震となり、日本列島全体が東西に最大5.3メートルも引き伸ばされることになった。

一瞬で起きたこの歪みは、これから数十年をかけて修復されていき、その過程で新たな地震が発生したり、火山が噴火することになる。

貞観地震の2年後には、秋田県と山形県の境にある鳥海山が噴火。46年後には青森県と秋田県の境にある十和田が大噴火した。この噴火では50億トンのマグマが噴出し、過去2000年の日本の噴火の中でも最大規模と考えられている。

無論、地震も頻発した。貞観地震から9年後の878年には、現在の首都圏と重なる関東中央で相模・武蔵地震と呼ばれるM7.4の直下型地震が、さらにその9年後の887年には、静岡県沖から四国沖にまたがる3つの震源が連動したM9クラスの仁和地震が発生し、後者は大津波を引き起こしている。