顧客や上司・部下を怒らせてしまった……。大事なのは、汚名返上に向けた初動の対応だ。「雨降って地固まる」ための行動セオリーとは。

例えば、あなたのミスで社内の他部署に迷惑をかけたとする。その部署の部長は怒り心頭で抗議電話。どんな対応なら丸く収まるのか。長年、百貨店でお客様相談室長を務めた関根眞一氏はこう助言する。

「顧客も他部署も、同じクレームだから対処法は変わりません。どんな剣幕で罵られても、ひるまずに相手の言い分をじっくり聞くことが第一です。相槌を打ちながら、話を促す。全部を吐き出させるのです。そして、当然ながら自分や自分の部署に明白な過失があれば、その非を認めるべきでしょう」

では、相手の勘違いや間違いがあった場合はどうするか。

「その場合も、いったんは肯定して聞き流しておく。いけないのは、『いや、それは違いますよね』と突っ込んでしまうような言動です。『何が違うんだ!』とさらに相手はエスカレートしかねません。肯定の返事を繰り返しながら、言いたいことのすべてをしゃべらせてしまえば、実は、相手の武器を取り上げたも同然。言い尽くしてもらったところで、『どんな対応をお望みでしょうか?』と持ちかけ、相手が答えてくれれば、こちらで対応策を考える必要がなくなります」

仮に、「どんな対応してくれるんだ?」と言われたら、「いま、うかがったことを整理させていただいてもよろしいですか」と相手から聞いた話を繰り返し、その中で相手が間違っていたことはやさしく諭すように言うといいそうだ。低姿勢を維持しながら、譲れない部分はやんわりと伝えるのだ。