関根氏によれば、この「話の腰を折らない」という姿勢を貫くと同時にすべきなのは、クレームの一報をはじめ、先方からのメール・電話などの内容を逐次メモしておくということだ。手書きでいいので、詳細に5W(誰が、何を、いつ、どこで、なぜ)のレベルまでしっかり押さえる。すなわち、「○日○時○分、営業課の○○○さんから電話あり。(内容)」といった具合だ。重要な案件なら、複数人でそうしたメモログを取る。1人より2人のほうがより正確な情報が収集でき、有効な対策が立てやすくなるというのだ。

「最近は、こうしたクレーム・苦情の報告を記録する企業も増えてきました。それによって、時間が経過し、異動・転勤などで社員が入れ替わっても、過去のクレームにいかに対処したかがわかるようになります。しかし、私に言わせれば、まだ甘い。メモや報告書の書き方がよくない。顧客や取引先、他部署から聞いた“生の言葉”を勝手に翻訳してしまうのです。実際は『バカヤロー』と叫んだのに、メモには『大声をあげた』としてしまう。もしくは社内用語や専門用語に置き換えてしまうことも多々あります。そうすると、何がいけないかといえば、相手の怒りの度合いが伝わりにくくなるのです」

生の言葉なら怒りのニュアンスがわかる。発した言葉の種類や顔の表情・態度などを数値化して、総合点を5段階などに分類することで「苦情震度」情報のようなものを自分の部署全体で共有することができるのだ。

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