有能な社員が会社を去る要因についてはあれこれ言われているが、彼らを留まらせる要因にも目を向けてみるべきだ。それらを強化することで、定着率が高まるかもしれない。

今後、労働力人口が減少傾向にあるなかで、トップクラスの人材を維持することは、この先10年の企業の重要な競争要件である。組織、そして各マネジャーは、そうした人材を確保するためになにができるだろうか。

社員が辞める理由について考えるのではなく、留まる理由に注目しようと、ジョージタウン大学経営大学院の経営学助教授、ブルックス・C・ホルトムは言う。離職を誘発する施策と残留を促す施策を識別できない企業は、優秀な人材を引き留めておくために、効果のない方法をとってしまう危険性がある。たとえば、より高い報酬を得るために別の会社に移る社員がいるとしても、それは必ずしも、優秀な社員の引き留め策として、ただ報酬を上げればいいということにはならない。