「柔軟剤戦争」が巻き起こされていた
COSTCOで購入していたジャンボサイズの柔軟剤が切れたので、応急処置的に近所のドラッグストアへ足を運んだときのことだ。奥の柔軟剤が置かれている棚を見て、思わずひっくり返りそうになった。
そこは上下3段に渡り、「柔軟剤戦争」が巻き起こされていたのだ。
ざっと数えただけでも12ブランドほどあり、それぞれが細かくシリーズ化されている。小さな町のドラッグストアに43種類の柔軟剤である。2日に1回は店を訪れ、定点観測をしているつもりだったが、柔軟剤部門だけすっかり見落としていた。いつの間にか、じわじわと領域を増やしていたのだ。
「もぎたてパッションベリーの香り」
「心晴れるヒーリングオアシスの香り」
「トリップドバイ アラビアンムスクの香り」
「トリップフィンランド ノルディックグリーンの香り」
「高級ホテルのルームフレグランスのような洗練された香り」
「映画の台詞のようにインスパイアされた、温かいカクテルのようにロマンティックな香り」
いったいどんな香りなんだぁぁぁぁぁ。自分は想像力はあるほうだと思っていたが、もはや想像を超えたコピーライティングに、頭は妄想混乱状態である。完全にトリップしてしまった。
値段の幅も、168円から880円までと幅広い。1回90円のお試しパックもある。安いのは安っぽい香りなのか。高ければみんなを振り向かせられるのか。文字だけで選ぶのは危険すぎる。
もはや嗅いでみるしかない。さあ、どれにしよう。香り戦争に参戦すべく、くんくん端から嗅いでいったら、途中で気分が悪くなった。結局、無難な「花粉ガード 加齢臭も防ぐ1日防臭 自然な香り ユーカリ消臭」などと書かれているものを購入してしまった。負けた。
あとで、ママ友に話したら、「失敗しても、サイズが小さいから、気軽に買い換えればいいのよ」「いろいろと試せるから、楽しいわよ。娘たちはベリー派ね」。COSTCOジャンボサイズから卒業して、すっかり詰め替え用柔軟剤の虜になってしまった筆者である。