いい人が現れるのをただ待つだけ
昔は「24歳が売れ時、25歳になったら売れ残り」と言われた。
俗にいう「クリスマスケーキ神話」だが、今や昔。現在の日本の平均初婚年齢は、夫30.7歳、妻29.0歳(2011年・厚生労働省調べ)である。
お国の対策はどこへやら、前年より0.2歳上昇しており、確実に晩婚化が進んでいる。
それは逆に言えば、未婚率の上昇を意味する。30代後半の男性は35%、同女性は23%が独身という事実には本当に驚かされる(2010年国勢調査より算出)。
50歳時点で一度も結婚をしたことのない人の割合「生涯未婚率」を調べてみると、男性20.1%、女性10.6%と赤丸急上昇だ。しかも15年後の2030年には、それが男性30%、女性23%になるというから、一大事。何しろ昭和40年の生涯未婚率は、男性1.7%、女性2.5%しかなかったのだから。
これだけの数字を突きつけられると、老婆心ながら、未婚者ひとりひとりをつかまえて、「あなた、どうするつもりなの?」と親戚のおばさんモードで問いただしたくもなるが、未婚者の8割以上は、「今後できれば、結婚したい」と答える(グラフ参照)。
なんだ、結婚したいのか。同種の調査でもだいたい似たような結果が出る。でも、結婚したいのに、実際はしていない。いや、できないのか。
聞けば、未婚の理由を男性は経済的な問題を主にあげ、女性は結婚によって暮らしのレベルを落としたくないなどと言うのだが、「いい人」がでてくれば、話は別だろう。建前と本音は違う。
とりわけ私が不可解に感じるのは、そもそも結婚したいのに、出会いの場に積極的に行かないという人が多すぎるということだ(グラフ参照)。おかしな話だ。それでは、いい人とも巡り会いにくいだろう。ますます結婚は遠くなるばかりだ。
さらに、「?」と思わざるをえないのは、自分で動かないのにもかかわらず、「いつかぴったりの人が現れると思う」に、35歳~44歳女性の56.3%が「はい」と答えていることだ (特に、37歳女性は「はい」が71%と突出して高い/女の欲望ラボ調べ)。何もしないのに、あきれるほど楽天的で他力本願。ビジネスの世界なら、そんな甘ったれた人材はまっ先に切られるだろう。
妙齢男女が出会いに積極的になれないのは、なぜなのか。
億劫なのか?
臆病なのか?
傷つきたくないのか?
いまさらと冷めているのか?
恥ずかしいのか?
忙しさにかまけているのか?
どうしていいのかわからないのか?
私は、「億劫」が全体を支配していると見ている。