10~20年間、年平均7%程度で拡大し続ける

上海のビル群

一国の経済成長の源泉は、労働力と機械設備や工場といった資本の投入、そして技術の進歩とされるが、それらの変化と密接に関わっているのが、一定期間の人口の変動を表す人口動態である。なぜなら、人口の規模や年齢構成の変化が、労働力の供給、貯蓄率や投資率、学校教育といった諸要素の動きを強く規定しているからである。経済活動を通じて一国の経済成長を促す主役は、どこまでいっても人間なのだ。

日本、韓国、台湾など東アジアの戦後経済の成長過程を見ればよくわかるが、人口増加のスピードが減速し、生産年齢人口(15~64歳)の割合が上昇している間は、労働供給が増大し、家計に余裕ができ貯蓄や子どもへの教育投資も増える。そうした環境下では、高い教育を受けた労働者が豊富に供給され、設備投資等の資金も容易に調達できる。経済成長が急速に進むゆえんである。