いかに客に当事者意識を持たせるか
チームを率い束ねている人はきっと腐心しているに違いない。
営業成績を出すために指示を待つだけの受け身の部下に、いかに主体的に物事に取り組ませればいいか、と。その際、有効になるのが傍観者的立場から、当事者目線に移す方法である。
以前、私はあまりにも肩こりがひどかったためネットでマッサージ店を探したところ、「オーラで整体」という一風変わった店を発見した。2時間で1万5000円。少々高いが受けてみた。
施術は、30代と思しき2人の女性整体師が行った。異変は、彼女らが私の体をもみ始めて、すぐに起こった。
ひとりは「ゴホッ! ゴホッ!」と咳をし、もうひとりは「ふぁ~あ、ふぁ~あ」と大あくびしたのだ。時間がたつうちに、この行動はエスカレートし、部屋中に激しい咳と、大きなあくびがこだまするようになった。
私が驚いて彼女らに視線を向けると、言った。
「あなたには悪霊がついています。私たちの咳やあくびは、あなたの邪気を私たちの身体に入れて、追い出すためのものです」
40分ほどして、咳やあくびがなくなると整体師は「たいぶ、邪気は出て行きました。体がすっきりしたのではないですか?」と、耳元で囁く。肩の辺りを動かしてみると、あまり凝りを感じなかったので、私は「ええ」と答えた。
整体師は、その頷きを見て、「それでは、続きを行いますので、こちらへどうぞ」と私を別室に誘った。
女性整体師は、その部屋に用意してあった椅子に私を座らせ、自らもその前の椅子に座る。
「では、手のひらを上に、腕を伸ばして、意識を集中させて下さい!」と指示し、「あなたの気を受けます」と、私の手の上に彼女の手を重ねてきた。
すると、どうだろう。