心に響く「きょうの名言」をメモする
これまで紹介してきた、このコラムの連載を読んでいただければ、手帳のメモを情報として活かせるようになるかと思いますが、それでも手帳の空白が気になる人は、意外といるかもしれません。
このような人は、岩波書店のホームページで「きょうの名言」をチェックし、共感できる名言があれば、手帳のメモ欄に書き留めておくといいでしょう。もちろん賢人の名言を毎日チェックすることになるため、新たな発想に出会えることも少なくありません。私の場合、多い月で7、8日分くらいの名言をメモしています。たったこれだけのことでも共感できる言葉、新たな発想に出会えたら、自分の考え方を再確認し、発想の幅を広げることにつながります。
たとえば、2014年11月18日の「きょうの名言」を見てみると、「大切なのは普通の語で非凡なことを言うことである。 ショウペンハウエル」となっています。私はライターなので、タイトル案や帯のコピーなどを考えるとき、まさにこの名言が意味することを目指しているつもりでしたが、つい忘れてしまっていることも少なくありませんでした。
といっても、私はぐうたらなので共感できる言葉、新たな発想に出会っても、特に心に響いた箇所しか書き写さないことが多く、著者はメモしますが、出典はメモしません。月に多くても7、8日分とはいうものの、面倒臭くて続かなくなったら意味がないからです。
この「きょうの名言」は岩波文庫から選りすぐった名言なので、なかにはビジネスとは関係のないものが多いのでは? と思われる方も多いと思います。たしかにそうかもしれませんが、多忙な時期やスランプのときなど、自分に余裕がないとき、自分を見失いがちになるのを防止するのに役立てています。
たとえば、2014年12月21日の「きょうの名言」は、「怒りは下した判定が公正に見えることを欲する。 セネカ」ですが、この名言を手帳にメモして見返しておけば、感情的になりそうになったとき、感情を静めるいいきっかけになるのではないでしょうか。