心理学に基づく症例分析によれば先延ばしをする人のタイプは大きく6つにわかれ、かつ誰でも必ず当てはまるという。解決のための第一歩は自身のタイプを把握すること。対人心理学の専門家がタイプ別グズの裏心理と根本治療のための処方箋を解説する。
根拠のない自信家タイプは、裏方的な仕事が苦手です。なぜなら「自分は才能があり、もっとほかにやるべき仕事がある」と思い込んでいるからです。そのため自分はグズだという自覚もありません。
根拠のない自信家タイプは、「その気になれば自分はなんでもできる」という全能感を持っています。しかし、実際に行動に移し、目に見える形で成果をあげた経験はほとんどありません。普通はそこで謙虚になるものですが、プライドだけは超一流なのがこのタイプです。裏付けになる実績やスキルが伴わなくても、自分は優秀だと勘違いして大言壮語を繰り返します。その意味では、夢想家ともいえます。
夢に逃げ込みがちな傾向は、とくに最近の若いビジネスマンに顕著です。彼らは「若者は夢を持て」と叩き込まれて育ち、理想的なキャリアデザインを描いて就職活動に臨みます。ところが社会に出ると、理想とはかけ離れた現実が待っています。そこで折り合いをつけるため、架空の「できる人像」をセルフイメージして現実から目をそむけようとします。
現実逃避の気持ちが強くなると、「この会社では自分のやりたいことができない」と言って転職を目論みます。最近は入社して半年も経たないうちに辞める若者も多いようですが、その多くはこのタイプといっていいでしょう。
辞めずに会社に留まる人も要注意です。経験を積んで成果を求められる時期になると、成果を出せない言い訳として、ますます夢想癖がひどくなります。その結果、徐々にまわりからの信用を失い、仕事も回ってこなくなる。行きつく先は、何もしないで会社に居座るだけの「社内ニート」です。