心理学に基づく症例分析によれば先延ばしをする人のタイプは大きく6つにわかれ、かつ誰でも必ず当てはまるという。解決のための第一歩は自身のタイプを把握すること。対人心理学の専門家がタイプ別グズの裏心理と根本治療のための処方箋を解説する。
反抗者タイプのグズ人間は自尊心が強く、人に指図されることを嫌います。反抗者タイプにとって会社や上司からの要求はつねに理不尽なものであり、自分はその被害者なのです。仕事を指示されても、「なぜ自分がやらなくてはいけないのか」と反発心が湧いてきて、マイペースを貫こうとします。
本来は自分がやるべき仕事を「自分の仕事ではない」と思い込む傾向は、根拠のない自信家タイプと同じです。ただ、両者は自尊心の守り方が違います。根拠のない自信家は、夢の世界に逃げ込むことで現実から目をそむけ、自尊心を保とうとします。一方、反抗者タイプは現実を攻撃して自分の正当性を証明することで、自尊心を守ろうとする。他者の否定がセットになっているため、まわりの被害も甚大です。
反抗者タイプの攻撃性は、いつもわかりやすい形で表出するわけではありません。面と向かって反抗するのはまだかわいいほうで、厄介なのは表面的には指示に従いつつ、内心では反発する面従腹背型です。たとえば上司に報告書の提出を頼まれると、その場では「わかりました」と答えるものの、わざと期限に遅れて提出し、相手を困らせます。遅れた責任を追及されるとひとまず謝罪はするものの、内心では「頼んだほうが悪い」と考えているため、悪びれた様子もありません。
いまだタテ社会の色合いが濃い日本の企業では、面と向かって反発する反抗者タイプより、面従腹背型の反抗者タイプのほうが多いかもしれません。どちらにしても反抗者タイプは、周囲の足を引っ張る厄介な存在。症状を自覚したら、早急な改善が必要です。