個性はビジネスでは得か、損か? 強烈な個人は組織では潰されるのか? 多くのビジネスマンに支持されている書籍『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史著)の著者で船井総合研究所常務が個性とビジネス・組織について赤裸々に語る。周囲から“浮いてしまう”ほど強い個性ながら、他人の10倍稼いできたコンサルタントが考える、いまの時代のビジネスマンの在り方とは?

日本人は知らず知らずのうちに、その勤勉さを発揮し、よくわからないところまで突き進んでいることがある。だからこそ開発できたものというのが、実はたくさんある。

例えば、日本の高機能な炊飯器は、私たちにとっては当たり前のものだが、海外の人から見るとえらく奇異なものに見えるらしい。

炊きあがりの硬さの調整ができる、焦げをわざとつける、酢飯用のコースがある……など、米を炊くだけの機械にこんなに機能がついていることに驚く。炊飯のスイッチを押すときにメロディーが鳴るというのも不思議らしい。

この日本製の炊飯器が、中国人の富裕層に人気を博している。やはりおいしさがまったく違い、中国製とは比べ物にならないのだそうだ。

日本の国際空港ターミナルでは炊飯器を持ち帰る中国人の姿が見られる。港内の土産物屋にも、炊飯器が置いてある。

この商品は、もともと海外に向けて価格を抑えて量産しようと思っていたら、つくれなかったものだろう。おいしいごはんを食べたい、その日本人らしい欲求を突き詰めた結果生まれた商品なのだ。

ウォシュレット付きのトイレもそうだ。

今や日本のトイレは、世界でも類を見ないほどの高機能に進化している。洋式トイレの本場は欧米だったはずだが、日本人の清潔さへのこだわりや快適さへの探究心が、おそろしく至れり尽くせりなトイレを生み出した。

手を触れなくても、便座の蓋が勝手に開く。ウォシュレットも、その強さが5段階で調整でき、位置も調整できるタイプもある。「ムーブ」といって、前後にウォシュレットが動きながら洗うものもある。

さらに、便器のなかが光ったり、ウォシュレットの後に尻を乾燥する風が出たりするものすらある。

本当にこんな機能いるのか、というところまでつくってしまうのが、日本なのである。