ハイクラスSUVで賭けに出たマツダ
CRは前出のおすすめ中古車リストの解説で、こう分析している。
同じ設計のまま売られる一つの「世代」が続くあいだ、クルマの不具合は年式を追うごとに減ってゆく。工場が組み立てに慣れるうえ、メーカーがオーナーのフィードバックや保証修理の実施状況を基に改良を重ねられるためだ。問題を突き止めて対策を練るには時間がかかるため、改善の成果は世代の終盤に表れやすい。年を追うごとに装備も増え、利便性や安全性が高まることも多い。同じ世代のうちでは、最後の2年が最も良い傾向にあるという。
そのため同誌は新車の信頼性ランキングでも、一から設計された新型車や、全面改良されたクルマは避けるよう助言している。
これに対してマツダは、中型SUV(日本の大型SUVサイズに相当)を新しい設計で送り出すという賭けに出た。CX-70とCX-90では、エンジン、変速機、車台を一度に新しくし、アメリカでは初のプラグインハイブリッド車まで用意している。2車種とも、信頼性の評価は平均を下回った。
中古車のブランド別信頼性ランキングでは3位に入るマツダも、新車では26ブランド中14位と中位にとどまる。前回の6位から、実に8つ順位を落とした。長年、高い信頼性を誇ってきたCX-5が、新型への切り替え中で集計から外れたことも、順位を押し下げた。
時にはトヨタでさえ、全面改良でつまずくことがある。冒頭のシェパードさんが乗り継いできたタンドラは、2022年型で車台とエンジンが一新されると、CRの前回の調査で信頼性が平均を下回った。トヨタは生産上の問題の解消に手間取り、タンドラの信頼性は2026年型でようやく平均並みに持ち直したという。
物価高時代の相棒になっている
全面改良を受けた新型タンドラが評価の立て直しに手間取った一方で、旧型のタンドラは変わらず走り続けていた。
2025年、冒頭で地球40周分を走破したシェパードさんは2台目のタンドラで、再び走行距離100万マイルを突破した。カー・スクープスによると、この2014年型は、最初の2007年型が100万マイルに達する前に買い増したクルマだという。1台目の記念にトヨタから新車を贈られたシェパードさんは、その新車を自家用にし、仕事では2014年型に乗り続けてきた。
たしかに2014年型は、エンジンも変速機も新車時のままだった2007年型とは違う。約86万マイル(約138万キロ)で、変速機が交換された。それでもエンジンには、大きな不具合が出ていないという。
このニュースを最初に報じた米サイトのピックアップ・トラック・トークは、2014年型の写真を公開した。助手席側の後部ドアには、へこみがいくつか見える。だがボディーの大半はきれいなまま。クルマは100万マイルを走ってなお、グリルを囲むクロムめっきの縁取りや前後のバンパーの装飾が輝きを失っていなかった。
適切な手入れをしてやることで、長年の相棒にできる日本ブランドのクルマ。物価高の今、その価値が改めて注目されている。
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