定年後に生き生きと過ごすにはどんな準備をするといいか。医師の和田秀樹さんは「定年前に大切なのは、意欲が落ちることを前提として、この先や定年後の楽しみを考えることだ。なかでも『それをやらないと、何となく気持ちが悪い』という感覚を身につけておくことは、年齢とともに意欲が落ちてきた時に大きな効果を発揮する」という――。
※本稿は、和田秀樹『人生を謳歌している人の楽しい予定のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
楽しい予定は「待っている時間」が最も充実
趣味を通じて人生を謳歌するためには、大事なポイントがあります。
それは、楽しい予定は、それを待っている時から楽しさが始まっている……という新たな視点を持つことです。
例えば、旅行が趣味の人であれば経験があると思いますが、待ちに待った旅行に出発したら、実際には期待したほど楽しくなかった……ということも珍しくありません。
その経験も含めて楽しめる人であれば、次の旅行でリベンジすることを考えますが、自分の期待を大きく下回る結果に遭遇して、「しばらく旅行はやめておこうかな」と考え始める人も少なくないと思います。
一度の失敗体験だけで、自分が好きだったものを手放してしまうことも、「趣味あるある」の1つといえます。
こんな事態を回避して、新たな楽しみを追求していくためには、趣味などの楽しい予定は、「それを待っている時間が最も充実している」と考えることが大切です。
子供の頃、遠足の前日などにワクワクして寝られなかった経験があると思いますが、人間は未来に起こる楽しい出来事を想像して、それを待ち望んでいる段階で幸福感を感じることができます。
グルメ好きな人であれば、なかなか予約が取れない話題のレストランに半年先の予約が取れたりすると、期待に胸を躍らせて、その日が来るのを指折り数えて心待ちにしていると思います。
その時の高揚感やワクワク感が、人生を楽しくしてくれるのです。

