人間関係のトラブルを避けるには、どうすればいいか。医師の和田秀樹さんは「人間関係のトラブルは、考え方の違いや意見の食い違いが発端となることがほとんどだ。問題の発生を未然に防ぐには。相手の意見を全面的に受け入れているわけではないが、全否定しているわけではないフレーズを上手に活用するといい」という――。
※本稿は、和田秀樹『人生を謳歌している人の楽しい予定のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
“勝ち負け思考”を続けると大事な判断を誤る
日本のビジネスパーソンには、物ごとを「勝ち負け」で考える人がたくさんいます。
相手の意見を受け入れたら「負け」とか、相手を言い負かしたら「勝ち」など、何かにつけて勝ち負けで判断する傾向があります。
「あの人には勝っている」とか「今回は負けたな」など、勝ち負けが口ぐせになっている人も少なくありません。
こうした考え方を、私は「勝ち負け思考」と呼んでいます。
勝ち負け思考を続けていると、常に人との比較で物ごとを考えるようになって、大事な判断を誤ることが増えてしまいます。
無意識に勝負を避けて、行動が消極的になることもあれば、負け続けることで、劣等感やプレッシャーに苦しむこともあります。
勝っても負けても、あまり人生が楽しくなる考え方ではないのです。
ビジネスパーソンの中には、人の人生を「勝ち組」と「負け組」に色分けすることで、ストレス発散やウサ晴らしをしている人もいますが、これも好ましい習慣とはいえません。
人の人生を自分勝手な物差しで判断する行為は、自分の人生の価値を人との比較で考えている証拠です。
人の人生と自分の人生を見比べて、いくら一喜一憂を繰り返しても、それは自分に都合のいい妄想にすぎません。
人の昇進を知って羨んでみたり、左遷を確認して溜飲を下げたりしても、自分の人生が楽しくなることはありません。
日常的に、「あの人は勝ち組だ」とか、「アイツは負け組だ」などという言葉が口ぐせになっている人は、すぐにやめることが大切です。

