米国滞在の日程に分刻みで何を詰め込むか
9月下旬、国連総会に出席する高市早苗首相の訪米に同行してきた。1泊3日の強行軍。しかも、今回は秋の臨時国会の準備もあり、演説と記者会見が終わると、迎えの車に飛び乗って空港に向かうという本当にタイトなスケジュールだった。体力的にもかなり厳しかった。
私も首相秘書官として、その後は内閣官房参与として、歴代首相のさまざまな海外出張に同行してきたが、毎回、外務省が作成する日程表は文字通り分刻みのスケジュールとなっている。
特に国連総会は、世界各国の首脳が集まるため、多くの国から首脳会談の申し込みがあり、日程表はさらに複雑になる。国連事務総長や米国の大統領とは個別に会談を行うのが慣例となっているが、そのほかの二国間会談は、数多くの要請の中から、そのときの国際情勢などを考慮して日本側が選ぶケースが多い。
日本国内の情勢や、前後の政治日程などから、ニューヨークに滞在できる期間も変わるため、二国間会談の数は、その年によって大きく変わる。岸田文雄元首相が退任直前の2024年9月に国連総会に出席したときなど、11の国・機関の首脳と会談していた。
今回、高市首相が個別に会談を行ったのは、グテーレス国連事務総長、トランプ米大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領、トルコのエルドアン大統領の4人だ。
やはり、日本で話題になったのはトランプ大統領との日米首脳会談だろう。世界中が注目していた米中首脳会談の直前ということもあり、関心が高かったのもうなずける。
しかし、私が注目したのは、トルコのエルドアン大統領との首脳会談だ。日本で大きく報道されることはなかったが、現在の不安定な中東情勢を考えると、ここでエルドアン大統領と対面で会談できたのは大きいと思う。
会談では、両国の協力関係のほか、高市首相からイランと米国の問題について、「仲介の役割を果たしてきたトルコの尽力を高く評価しつつ、ホルムズ海峡において、従来どおりいかなる追加的費用もない形で全ての船舶が自由で安全に航行できることが、日本を含む国際社会全体にとって極めて重要である」と指摘したという。
エルドアン大統領からも、イラン情勢やパレスチナ問題などについての日本との緊密な連携について言及があったという。
中東情勢のキーパーソンの一人であるエルドアン大統領との良好な関係を構築できたことは、今回の訪米の一つの成果といってよいと思う。
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