「やらないと気持ちが悪い」状態をつくる

会社を定年した後でも、自分の趣味を楽しみ続けるためには、早い段階で「習慣化」しておくことが大事なポイントとなります。

和田秀樹『人生を謳歌している人の楽しい予定のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『人生を謳歌している人の楽しい予定のつくり方』(クロスメディア・パブリッシング)

習慣化というと、義務やルーティン(日課)と同じように、重く感じるかもしれませんが、苦痛を伴うことを長く続けることにはムリがあります。

私が考える習慣化とは、「それをやらないと、気持ちが悪い」という状態をつくることを意味しています。

小さな子供に歯磨きの習慣を身につけさせる場合、最初は嫌がって泣き叫ぶこともありますが、それを辛抱強く続けていると、ある日を境にして、自発的に歯磨きをするようになります。

それは、歯磨きを繰り返し続けてきたことで、「歯を磨かないと気持ちが悪い」と本人が感じるようになったためです。

スポーツや楽器演奏でも同じですが、最初の頃は反復練習が苦痛に感じていても、慣れてしまえば、「練習をしないと気持ちが悪い」とか、「何となく気分が落ち着かない」ということが起こります。

こうした状態になれば、その趣味が習慣化できたと考えることができます。

例えば、出勤前の朝の時間に20分程度の散歩を習慣化しておけば、定年後になっても、朝の散歩をムリなく続けることができます。

朝の新鮮な空気に触れながら散歩することに慣れてしまうと、散歩をしなければ、1日が始まらない気分になります。

定年後も続けたいと思うものは、早い段階で毎日の習慣に組み入れておけば、自然と実践できるようになります。

意欲が落ちてから考え始めたのでは遅い

ゴルフが趣味の人であれば、定年後はメンバー探しに苦労することになりますから、こちらも早めに手を打っておけば、安心してプレーを続けることができます。

最近では、社会人だけのゴルフサークルやゴルフ仲間を募集しているSNS、ハンデが同じレベルの人と出会えるマッチングアプリなども存在します。

早い段階で活用法に慣れておけば、気後れすることもなく、自分のスケジュールで趣味のゴルフを存分に楽しむことができます。

「それをやらないと、何となく気持ちが悪い」という感覚を身につけておくことは、年齢とともに意欲が落ちてきた時に大きな効果を発揮します。

現役世代であれば、今はまだ重要性を認識できないと思いますが、ある年齢になれば、「あの時に始めておいてよかった」と感じる日が必ずやってきます。

大事なポイントは、意欲が落ちることを前提として、この先や定年後の楽しみを考えることです。

いくら定年して自由な時間ができても、意欲が落ちてから考え始めたのでは、どんなことも思い通りにいかなくなります。

こうした工夫を心がけておけば、毎朝、目が覚めた瞬間に、「今日もやることがない」、「どこにも行く場所がない」と悩んでしまう「定年後あるある」を回避することができます。

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