まともな医療とは思えなかった
一番不利益を被るのは患者だ。とくに初診でハズレ医師を引いた人は気の毒である。医師は全員バイトで、毎回担当医が替わる。
「前医が診断してるし」
「自分は今日だけだし」
「次の人も診てくれるし」
こういう条件が揃うと、人は必ず責任感が薄くなる。もし、前医が行なった治療に疑問を持ったとしても、たった1回の診察で治療全体を大きく変えるような勇気は持てない。実際に勤務した私がそうだったのだから間違いない。結果として、患者の症状を診ないまま、同じ治療が惰性で続けられていく。
私は5回の勤務で「COCOROオンラインクリニック」をやめた。これがまともな医療だとはどうしても思えなかったからだ。
「やめた」といっても、スキマ時間の単発バイトなのでシフトを入れなければ、勝手に足を洗うことになる。診察もお手軽なら、やめるのもお手軽なのだ。これが私の体験したオンライン診療の実態(※9)だった。
※9 オンライン診療の実態
もちろんメリットもある。場所を選ばず受診できるため、通院に伴う移動時間や交通費、待合室での長い待ち時間が解消される。仕事や育児で多忙な人や身体的理由で外出が困難な人にとって受診のハードルを下げ、治療から脱落する人を支えられる側面もある。
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