選択肢を減らすと目標達成は加速する

この例からつくづく感じることがあります。人は、選択肢が多いほうが迷う。選択肢が少なくなればなるほど、悩まない。悩まないと、活動は力強くなるのです。

小阪裕司『【新書版】顧客の数だけ、見ればいい うまくいく企業が重視するたった一つの経営指標』(PHPビジネス新書)
小阪裕司『【新書版】顧客の数だけ、見ればいい うまくいく企業が重視するたった一つの経営指標』(PHPビジネス新書)

エイチ・ドライブは結果的に前年比アップを成し遂げていますが、別に「前年比アップを目指している」わけではありません。あくまで、「顧客のためになることを考えていたら、結果的に前年比アップしていた」ということです。

実は、これと同じような話を会員企業からよく聞きます。

「別に成長を目指してはいなかったけど、結果的に成長しちゃったんですよ」

「最初は小さく始めたのに、いつの間にかこんなに成長しちゃっていました」もちろん、ここで言う「成長」とは、売上が伸び、会社の規模も大きくなったという意味ですが、会話の中で、あるいはレポートの中で、こういう言葉を何度も聞くうちに、気づいたのです。

「成長を目指す」のではなく、「顧客の数を増やそう」と考えていたら、結果的に「成長しちゃった」。前年比アップを目指していたわけではなかったのに、いつの間にか「前年比を超えちゃっていた」。これこそが理想の形なのではないかと。

「企業が成長を目指さないなんて、あり得ない」という考え方を持つ人がいます。一方、昨今は「成長ばかりを目指すから、ひずみが生まれている」という主張をする人も増えています。いわゆる「資本主義の限界」です。その両者をつなぐものこそが、「成長しちゃった」ではないか。

私はそう考えています。

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