上司と部下ですれ違いが起こる背景には何があるのか。3万人のコーチを育成してきた馬場啓介さんは「人は同じ景色を見ていても、実際に観ているものはそれぞれ違うという事実を理解しているかどうかが重要だ」という。著書『マンガで体感! 調和力で人を動かす トラストコーチング』(イラスト・MARUMI、KADOKAWA)より、一部を紹介する――。
人前で話をする男性
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一流のコーチはすぐに「正解」を教えない

物語の主人公・BBは、世界で活躍するエグゼクティブコーチ、フェグダ氏の弟子となり、コーチングを学び始める。そのフェグダ氏の特徴は、相談相手に簡単に答えを与えないことだ。

ある俳優から仕事について相談された際にも、「その役を受けるべきだ」「やめたほうがいい」と判断を代行するのではなく、その作品を通じて誰に何を伝えたいのかを問いかける。

さらに、かつて2人で決めた目標を思い出させ、「どんな俳優を目指してきたのか」を本人にもう一度考えさせる。

これは、部下を持つ上司にも通じる。

経験のある上司ほど、部下から相談された瞬間に答えが見えてしまう。「こうすればいい」「自分ならこうする」と教えれば、その場の問題は早く解決できるだろう。

しかし、部下自身に考えて動いてほしいのであれば、答えを渡し続けるだけでは足りない。

その前に必要なのが、相手がいま何を見て、何を考えているのかを知ることだ。

フェグダ氏は、そのことをBBに少し変わった方法で体感させていく。