イライラは単なる「アラーム」
5%社員のアプローチは、まったく異なります。彼らはネガティブな感情を「情報」として扱います。
ある5%社員は「イライラは、自分の中の基準が侵害されたというアラーム。不安は、準備が足りていないという警告。悲しみは、自分にとって大切なものが脅かされたというサイン」と表現しました。感情に善悪はなく、すべてが「何かを教えてくれている情報」です。感情ごとに、教えてくれる情報の中身は決まっています。
実際に、弊社が観察した5%社員の行動パターンで顕著だったのは、ネガティブな感情を抱いた直後に「これは何のサインか?」とつぶやいたり、メモに書き出したりする習慣でした。感情に名前をつけて観察すると、感情は「処理対象」になります。名前がないままだと、感情は「自分そのもの」のままで、距離が取れません。
感情を抑え込まないことは、感情のコントロールを放棄することではありません。抑え込む(出さない)と表に出す(ぶつける)の二択しかないと思っているとき、人は前者を選びがちです。第三の選択肢として「情報として読み取って、必要な行動だけ取り出す」があると気づくと、抑え込む必要そのものが減っていきます。
感情の扱い方は「後天的に身につける」
「自分はメンタルが弱い」と思っている方に、ぜひ伝えたいことがあります。ネガティブな感情をうまく抑え込めないのは「弱さ」ではありません。それはむしろ、感情の豊かさと感受性の強さの表れです。
感受性が強い人ほど、他者の痛みにも気づきやすく、職場の変化にも敏感です。問題は感情の強さではなく、その感情を「どう扱うか」を学んでこなかっただけなのです。
感情の強い人がその技術を身につけると、感情が乏しい人よりもはるかに高いパフォーマンスを発揮できます。弊社の5%社員の中にも、「昔は自分のメンタルが弱いと思っていた」と語る人が多くいました。感情の扱い方は、運転や英会話と同じく、練習量と成果が比例する後天的なスキルです。
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