対立解消に効果的な「問いかけ」
まずは、「2人はどうしたらいいと思っていますか」とそれぞれに問いかけてみます。沈黙が長くても、そこで待ちましょう。この待つ時間が、1つめの「エンパワーメント」の入り口になります。
2つめの「承認」は、もう少しわかりやすく表れます。
開発担当が「実は先月、重めの案件が3つ重なっていて、正直どれもまわってない状態でした」と言い、営業担当が「そんなに来ていたんですか、知らなかったです」と返す。これだけで、営業担当の視野は広がり、開発担当も「わかってもらえた」という実感につながります。そこが転換点です。
相手の行動の背景が理解できると2つめの変化が生まれるのです。
この2つの変化を起こすことができれば、あとは具体的な取り決めは当事者が自分たちで決めながら解決していきます。
逆に、この2つの変化がないままに、合意だけを表面的に成立させても、その合意はあまり守られることはないものです。
リーダーが仲裁するデメリット
こうした対話をへても、どうしても対立が動かないときに、はじめてリーダーが裁定します。順番を飛ばして最初からリーダーが白黒つけてしまうと、当事者は自分たちで解決しようとしなくなります。
リーダーが裁く回数が増えるほど、チームは対立を扱う力を失ってしまいます。
話し合う場では、それぞれの「性格や価値観」ではなく、「行動やその影響範囲」について話すことにします。「あの人は非協力的だ」などと性格については言及せず、「期日の2日前に依頼が来たので、他の仕事の優先度を下げた」と行動の形で話します。
対立しているときは、それぞれの視野が狭くなってしまっており、目の前の自分の目標を達成することに躍起になってしまっていることが多いです。
そうではなくて、共通目標やあるべき姿を確認して、それぞれの役割分担や新しいやり方や基準、折衷案を検討します。
もちろん、すべての対立がうまく解消するわけではないので、結果として不満が残り、退職者が出たりすることもあるかもしれません。
そういうときでも、会社として、チームとして、「戦略に合った適切な選択ができたのか」「よりよい組織になるための学びにつながったのか」「全体的な方向性が生産的だったか」を振り返っておくといいでしょう。

