友人への「今回もお願いね」が通じない
来年4月には、自公連立離脱後、初めての全国規模の統一地方選を迎える。
だが、地方選における直近の選挙結果は厳しい。2023年の東京23区の区議選では、公明党は擁立152人のうち8人が落選し、練馬区では4人の候補が落選している。
2025年の都議選でも3人が落選しており、そのなかでも池田大作氏の出身地である大田区で2人の落選者を出している。結果的に、都議会公明党は36年ぶりに全員当選を逃した。国政選挙でも、思わしい結果が出ていない。2025年に行われた参院選では14議席の獲得を目指すも、結果は8議席の獲得にとどまり、現在の公明党が結成された1998年以降最少の議席数となった。
そもそも、創価学会票は学会員の投票だけで積み上がるものではない。友人への投票依頼をもとに学会外の得票を積み上げていくことで「学会票」は成り立っている。投票依頼を受けた友人が公明党に投票してくれなければ、公明党は議席を維持できない。
ここで見落とされがちなのは、これらの友人票の多くが「新規開拓」ではなく、何十年も同じ友人に頼み続けてきた既存の地盤だという点である。取材した60〜70代の女性会員のなかには、1人で150人以上の友人に投票依頼をしている人もいた。ただ、選挙ごとに新しく150人を探すのではなく、長年頼んできた友人たちをベースにして、その学会員個人が持つ「岩盤支持層」に投票依頼しているのだ。
だが、長年の友人とのやり取りに変化を感じている会員もいる。50代女性の学会員は、次のように語る。
「一生懸命応援したい気持ちはあります。でも、これまで『今回もお願いね』というひと言で投票依頼をしていた友人から、『公明党は大丈夫なの?』『次の選挙はどうしようかな』と心配されているんです。いままでの頼み方では投票してくれないかもしれません」
「最強の組織票」は「大勝利」を生むのか
自公連立の時代には「与党としての実績があります」と友人に語り、そのうえで地方議員の政策を訴えることができた。だが、軸がぶれる出来事が重なった今、何十年も頼んできた友人がいつものように投票してくれるのか、そして学会員自身がいつものテンションで頼めるのかは、いずれも未知数だ。
ここまでの取材を整理すれば、来年の統一地方選を取り巻く条件は3つ重なっている。①「中道分裂」をめぐる組織内の受け止めの違い、②「裏金議員」の推薦以来、公然化した公明党批判、③「ひとり勝ち」批判のなかで揺れ始めた既存地盤の友人票。つまり、公明党にとって「原点」であるはずの地方選が、連立離脱後もっとも条件の悪い選挙になりかねないのだ。
それまでに公明党が新たな指針を打ち出して信頼を取り戻し、党勢を回復できるのか。それとも、右肩下がりの流れをそのまま引き継いでしまうのか。
「もともと一緒になるべきじゃなかった」はずの新党の後始末を背負い、悪条件が重なるなかで来年の統一地方選を迎えることになる。「最強の組織票」と呼ばれてきた創価学会の集票力で、公明党は「大勝利」をつかめるのか――。
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