「裏金議員の推薦」に学会員が反発

昨年の参院選で、公明党は自民党のいわゆる「裏金議員」に推薦を出した。その一人が京都選挙区の西田昌司氏だ。旧安倍派から411万円の還流を受けながら収支報告書に記載していなかった。推薦決定後の5月には、那覇市でひめゆりの塔の展示について「歴史の書き換え」と発言し、沖縄県議会から抗議を受けている。

沖縄は、池田大作氏が1964年12月に『人間革命』の執筆を始めた場所である。公明党の西田実仁幹事長は2025年5月7日、発言の撤回と沖縄県民への謝罪を求めた。西田昌司氏は発言を撤回したが(2025年5月9日「朝日新聞」)、党は推薦を維持した。

学会員からは「なぜこの議員まで推薦しなければならないのか」という声が上がったという。政治資金の不記載と沖縄での発言が重なり、ネット上では学会員の批判が起きた。今回取材した複数の学会員によると、党が説明動画を公開しても批判は収まらなかったという。

2015年の平和安全法制をめぐっても、SNSで公明党を批判し、反対デモに参加する会員はいた。一方、今回取材した50代男性によると、議員が説明を重ねるなかで納得し、支援に回った会員もいたという。

2026年2月7日、第51回衆院選の街頭演説にて中道改革連合共同代表野田佳彦、齊藤鉄夫、酒井菜摘候補、公明党竹谷とし子、立憲塩村文夏
2026年2月7日、第51回衆院選の街頭演説にて中道改革連合共同代表野田佳彦、齊藤鉄夫、酒井菜摘候補、公明党竹谷とし子、立憲塩村文夏(写真=Makochan12.9/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons

だが裏金議員の推薦と今回の分裂で問われているのは、政策の是非ではない。「公明正大」「大衆とともに」という公明党の根幹にかかわる指針に背く行為として受け止められた。だからこそ、傷が深いのだ。

「公明のひとり勝ち」に学会内部からも批判

中道の分裂では、政党交付金の扱いも論点になった。中道は衆院議員1人を残して当面存続し、2026年の政党交付金約23億円のうち、今後交付される約11億7000万円も受け取る方針だ。党側は衆院選の未払い費用に充て、清算後に組織を整理すると説明している。余剰が生じれば国庫返納も検討するという。

解党を予定している政党が政党交付金を受け取ることは違法ではないが、実体のない政党が、税金が原資となっている交付金を受け取ることに対して批判が高まるのは当然だろう。

2月の解散総選挙で、中道は比例代表で約1043万票を獲得し、42議席を得た。内訳は公明系28人、立憲系14人だった。公明系は比例名簿の上位に載り、28人全員が当選している。その28人が議席を保ったまま公明党に戻る。公明単独ではなく、中道として集めた比例票の恩恵を受けて得た28議席が、すべて公明党の議席になる構図だ。これでは「公明党のひとり勝ち」と批判されるのも無理はないだろう。

こうした動きに対して世間からの批判も高まっているが、創価学会内部でも批判の声が上がっている。取材した20代の男子部員は不満を隠さなかった。

「結局、中道の結党も選挙のためだし、分裂も統一地方選のためにしか見えないです。中道を一部残すのもお金のためじゃないですか。政治のための政治をやっているように見えて、もう見ていられない。国民を向いた政治をやる姿勢を見せてくれないと、もう応援できないですよ」

一方、50代男性の学会員は「地方議会は公明党の原点。ここは負けられないし、自分は今度も頑張る」と語る。支援を続ける人もいれば、党の姿勢次第では応援できないと考える人もいる。取材した会員の受け止めは、一様ではなかった。