抵抗を抱えつつ支えた人の徒労感

一方、冒頭で「もともと一緒になるべきじゃなかった」と語った30代男性も、分裂を手放しで歓迎しているわけではなかった。静かに怒りをにじませながら、こう続けた。

「中道は結党時に『選挙目当ての野合だ』とよく批判されていて、当時は投票依頼をした友人にもよくそのことを指摘されました。当時は悔しくて必死に反論したが、参院立民が合流しなかったせいで中道は消滅し、本当に選挙目当ての野合だったってことになってしまいました。自分みたいに立憲が好きじゃないのに中道を応援した身からすれば、あのときなんのために頑張ったのかわからないです」

今回取材した会員には、中道に期待して応援した人も、合流への抵抗感を抱えながら支えた人もいた。分裂への思いはそれぞれ異なるが、自分が重ねてきた支援活動を振り返り、悔しさや悲しさを口にしていた。

“公明党の応援団”からも批判が相次ぐ

少なくない学会員たちが悔しさをにじませるなかで、筆者が確認したSNSの投稿には、中道分裂をめぐって公明党を批判する支持者の声もあった。

そのなかには、プロフィールやアカウント名に「RICE」という文字を盛り込んだ公明党支持者のアカウントもあった。RICE(ライス)とは、公明党支持者の有志が2025年6月4日に生み出したファンネームである。

こうして公明党への支持を表明してきたアカウントが、中道や公明党の判断を批判していた。そのなかには、プロフィール欄で創価学会員であることを明かしているものが数多くあった。

公明党本部
公明党本部(写真=あばさー/PD-self/Wikimedia Commons

中道の合流協議が難航した8月末から9月にかけて、「絶対に中道分裂はしないでほしい」と公明党執行部に向けて強い口調で書き込むアカウントが相次いだ。なかには、中道の分裂、あるいは公明党が中道から引き揚げることに反対し、賛同を募る署名運動のような投稿も散見された。

では、なぜ学会員はここまで変わったのか。筆者は、転機のひとつが昨年の参院選における「裏金議員への推薦」にあると考えている。