トウモロコシのでんぷんが肝臓に蓄積

このお話で大切なことは「ガチョウがトウモロコシだけをエサにしていた」という事実です。トウモロコシの粒は、総熱量の75%を糖質で占めていて、脂質の割合はわずか15%に過ぎません。

すなわち食べた脂肪が蓄積して脂肪肝になったのではなく、トウモロコシのでんぷん=ブドウ糖の集まりがカラダの中で脂肪に変わり、肝臓に蓄積したのです。

食べたトウモロコシのでんぷんは、小腸でブドウ糖(グルコース)に分解されます。ブドウ糖は膵臓から分泌されるインスリンの働きによって細胞に取り込まれ、脳や筋肉、各臓器のエネルギーとして使われます。

血中のブドウ糖濃度は、膵臓から分泌されるホルモン、インスリンの働きにより一定に保たれていますので、ヒトの血液中のブドウ糖総量はわずか5g程度しかありません。

細胞のエネルギーとして使われなかった残りのブドウ糖はどこへいくのでしょうか?

糖質の量に無頓着では改善しない

ブドウ糖は、ブドウ糖のままでカラダに蓄えられ、再利用されることはありません。

まず、グリコーゲンとなって肝臓あるいは筋肉に蓄えられます。肝臓、筋肉がグリコーゲンでいっぱいになると、新たに入ってきたブドウ糖は、インスリンの作用によって中性脂肪に変換されるのです。

インスリンには血糖を下げる=細胞内にブドウ糖を押し込む作用があるだけでなく、エネルギーとして使われなかったブドウ糖を中性脂肪に変換する作用があることが重要なポイントです。

もうおわかりでしょう。ガチョウはフォアグラとなる際、筋肉を用いる必要のない=グリコーゲンをほとんど消費しない場所で、多量の糖質を与えられて飼われています。

それゆえに、消費されるエネルギーよりはるかに多いブドウ糖から、効率よく中性脂肪への変換が行われ、肝臓の細胞内に脂肪が蓄積していくのです。

脂肪肝、肝疾患を示す医師
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脂肪肝を指摘された方は、真っ先に「脂肪をとるのを減らせばよい」と考えがちです。しかし、肉の脂身や揚げ物を食べなくても、糖質の量に無頓着なままでは脂肪肝は改善しません。

真っ先に減らすべきは、糖質量なのです。すなわち加糖飲料、米、パン、麺、スナック菓子などの糖質を減らす必要があるのです。