※本稿は、和田秀樹『死ぬまで楽しく生きる本』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
「健康寿命」を延ばすために必要なこと
日本は平均寿命が世界一だと喜んでいますが、平均寿命だけを見ていたら、元気なまま亡くなったのか、ヨボヨボになって亡くなったのかはわかりません。
これに対して、健康寿命というものがあります。健康寿命とは健康上の理由で日常生活の制限されることのない期間のことなので、この寿命が長くならないと、好きなことをして老後を過ごす期間も長くはならないのです。
2025年の健康寿命は、男性71.9歳、女性74.8歳となっています。平均寿命との差は、男性約9.2年、女性約21.3歳です。特に要介護生活になったら、いくらお金があっても、好きなことに使えなくなってしまいますね。
健康寿命が短いのは、国の政策にも責任があります。例えば、高齢者の免許返納(自動車運転免許自主返納)の問題があります。
高齢者の運転は危険なので、「70歳を過ぎたらさっさと免許を返納しなさい」というもので、マスコミがキャンペーンを張っているので、みなさんもご存じだと思います。
地方において運転免許を失うことは死活問題であるのに、国は高齢者の運転免許を積極的に奪おうとしているのです。地方での生活はクルマなしには成り立ちません。そのため、移動の自由を失った高齢者は、たちまちヨボヨボになってしまうのです。もちろんこんなことをやっている国は日本しかありません。
高すぎる介護保険料の根本原因
コロナのときも同様で、「年寄りは家にいろ」と半ば強制され、移動の自由を奪われ続けました。この国は、高齢者をヨボヨボにする政策しかやってこなかったのです。
国中にヨボヨボ老人が増えれば、介護にかかる予算も増えるので、その分、介護保険料が上がっていくことになります。
先日、介護保険料を払いに行ったら、あまりにも金額が高いので、私はびっくりしました。てっきり2カ月分か3カ月分だと思ったら、1カ月分だったのです。年収に応じて高くはなるのは承知していますが、それでも高すぎると感じました(平均的な介護保険料は月額6225円とされる)。
みなさんも介護保険料は高いと感じていると思います。介護保険料が高いのは、国が高齢者をヨボヨボにする政策をとっているからにほかなりません。それよりも、高齢者がもっと歩ける、もっと自由に動ける政策を考えるべきなのです。
寿命は多少短くなっても、高齢者をヨボヨボにしないというのがスウェーデンの考え方です。結果的に健康寿命はスウェーデンのほうが長くなるでしょう。

