高市早苗首相は9月5日、自身のX(旧ツイッター)に、8月に成立した改正皇室典範について長文の投稿を行った。皇室研究家で神道学者の高森明勅さんは「この投稿は一言でいえば『今回の皇室典範の改正で「女性天皇への道」は閉ざしていません! 誤解しないでください』という内容だった。だから、強気の『反論』というより、弱気な『弁解』の性格が強い」という――。
第2次高市内閣発足時の高市早苗首相。2026年2月18日撮影
第2次高市内閣発足時の高市早苗首相。2026年2月18日撮影(写真=内閣広報室/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

高市首相がX投稿で“弱気な釈明”

去る9月5日、高市早苗首相が「皇室典範改正法」についてXに投稿した。先の国会で皇室典範の実質をともなう初めての改正をなしとげた手柄(?)を誇る内容かと思ったら、それとは正反対だった。典範改正への批判に対する懸命な言い訳だ。

一言でいえば「今回の皇室典範の改正で『女性天皇への道』は閉ざしていません! 誤解しないでください」という内容だった。だから、強気の「反論」というより、弱気な「弁解」の性格が強い。

私はこれまで、先ごろの皇室典範の改正は手順も中身も最低・最悪だったが、その内部に「女性天皇」「愛子天皇」につながる希望の種が埋め込まれている、と主張してきた。このたびの高市氏の投稿は、結果的に私の主張の正しさを裏付けてくれるメッセージにもなっている。

「女性天皇への道を閉ざした」批判が痛かった

高市氏はまず「『皇室典範改正法』について『女性天皇への道を閉ざした』といったご意見を始め、様々なお声を頂いています」と書き始める。これは、典範改正(改悪)に多くの批判が寄せられた中でも、高市氏にとって「女性天皇への道を閉ざした!」という批判が、最も“痛かった”ことを示す。

強気で人の意見に耳を傾けないとされる高市氏も、女性天皇への国民の期待の高さは、さすがに無視できなかったようだ。

改正後の各種の世論調査でも、改正を「評価しない」という声や、引き続き「女性天皇」を求める声が多かった。

メディアも足並みを揃えて批判した(例外は産経新聞と世界日報ぐらいか)。何より典範改正を経て、内閣支持率の下落も目に見える形で表れた。

党内基盤が弱く世論の追い風だけが頼りの高市氏としては、事態を放置できなくなったのだろう。

しかし、高市氏が反論ないし釈明するのであれば、記者会見を開いて記者たちの質問にも答えながら、堂々と説明するのが筋だったはずだ。ところが例によって、Xへの投稿だけでお茶を濁した。この一方通行なやり方からは、記者たちが納得ゆくまで説明できる自信がなかった内心も、透けて見える。