Part1 「うちは大丈夫」と言う家ほど、何も残していない

資産家だけが揉めるは大間違いである理由

「仲がいいほど揉める」と言われることがありますが、本当でしょうか。私の実感では、やはり仲のいい家族のほうが相続の話し合いも円滑に進むケースが多いです。ただし、話し合いがこじれて泥沼にはまるのも、仲がよかった家族かもしれません。

弁護士のところに持ち込まれる案件は、すでに揉めているケースばかりですから、世間一般の統計からは、外れた状況であることも少なくありません。ですが、こじれた案件ばかりを長年見てきたからこそ、わかることがあります。揉める家族には、財産の多寡や家庭の事情を超えて、共通する「一定のパターン」があるのです。その型を知っておくことは、円満に相続を終えるために役立つはずです。

「仲のいい家族」の意味するところが、お互いに尊重し、歩み寄れる間柄であるとすれば、相続に関する話し合いも、そこまでこじれないでしょう。

(構成=渡辺一朗)