フォードEV部門は4年で2.5兆円の損失
厳しい状況はフォードも同じだ。EV部門「モデルe」は、設立からわずか4年で160億ドル(約2兆5400億円)超の損失を計上した。米自動車メディアのカー・スクープスによると、フォード自身も今年40億〜45億ドル(約6360億〜7150億円)の赤字を見込んでおり、CFOのシェリー・ハウス氏はモデルeの損益分岐点到達を「2029年ごろ」までは見込めないと述べている。
トヨタは今年、RAV4からガソリン専用モデルを外し、ハイブリッドとPHEVだけのラインアップにした。カー・バズによれば、1996年の発売以来の累計販売は640万台超。2025年にはアメリカのSUV販売で47万9288台の年間首位に立った。
ただし2026年上半期は、ハイブリッド専用化に伴うカナダ・日本工場の改修で生産が追いつかず、米国販売は15万3955台と前年同期比35.7%減に落ち込んだ。それでも内訳を見れば、ハイブリッドは23%増、PHEVは30%増。減少分はほぼガソリンモデルとなっている。
消費者の考え方の変化を正しく予測したことで、現在の優位が生まれたと言えよう。「電動化の波には乗りたいが、航続距離への不安を日々抱えるのはご免」。あるいは、「ステーションで数十分もかけて充電したくないし、EVの車両価格は高すぎる」――。そう考える消費者の受け皿を、トヨタは周到に用意していた。
EV販売でも米国トップ5入りしたトヨタ
フォーブスによると、コックス・オートモーティブのストリーティ氏は、「長期的には、未来はEVです。ただ、非常に長い期間、ハイブリッドが消費者の現状に寄り添う形で、その隙間を埋めていくでしょう」と述べている。
ガソリン高や新車価格の高騰などが影響し、過渡期として生まれた現在のハイブリッド需要。もっとも、遠い未来を見据えるなら、いずれかの時点でEVへの移行が焦点となるだろう。
トヨタとしても、長いスパンでEVが拡大するとの予測は否定していない。カー・バズが取り上げたように、2021年にトヨタは、2030年までにBEV30車種、世界年間販売350万台を目指す方針を示している。
すでにEVでも存在感は増しており、コックス・オートモーティブによれば、トヨタは第2四半期にEV販売台数を前年比で倍増させ、米国のEV販売上位5社に食い込んでいる。
ハイブリッドで示した鮮やかなタイミングの見極めを、EVの本格拡大となる次のターニングポイントでも見せてくれるか。日本と世界の注目が集まっている。


