EV失速を尻目に伸びるハイブリッド

実績を伸ばした各社に共通するのが、ハイブリッドのラインナップの強さだ。コックス・オートモーティブはケリー・ブルー・ブックの集計をもとに、上半期のハイブリッド販売が約9%伸びると伝えている。

いわゆる「電動車(electrified)」とは、ハイブリッドやPHEV、そしてEVや燃料電池車を含む総称だ。アメリカで減速したのは、電動化の中でもEVという1つのカテゴリーであり、電動化の勢い自体は衰えていない。

この流れを追い風にしたのが、トヨタだった。

北米トヨタが公表した第2四半期(4〜6月)の販売数は、1.1%増の67万3971台。うち電動車は19.5%増の38万3091台で、同社の販売数全体に占める割合は56.8%に達した。トヨタがアメリカで販売する車の半分以上を、すでに電動車が占めている。

モデル別の実績が公表されている上期(1〜6月)の累計から、その中身を読み解くことができる。同期間の電動車は67万367台。このうちEVはbZやレクサスRZなどを合わせて約2万6000台で、電動車全体の4%程度にとどまる。外部充電できるPHEVも約3万3000台で、5%程度だ。

残る9割強という圧倒的多数を、充電の必要がない通常のハイブリッドが占める。

2024年式 GMC シエラ エレベーション 1500 クルーキャブ 4WD
2024年式 GMC シエラ エレベーション 1500 クルーキャブ 4WD(写真=Mr.choppers/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons

高燃費を求める客に売るクルマがない

イラン戦争でガソリン価格が高止まりする今、車社会のアメリカにおいても、人々は燃費に敏感だ。

ガソリン価格の全米平均は、6月24日時点で1ガロンあたり3.92ドル(約165円/L)。約1年前と比べて50セント(約20円/L)高い水準だと、米経済誌のフォーブスは全米自動車協会の集計をもとに報じた。

こうした情勢を受け、新車を選ぶ際にも燃費の比重が増している。コックス・オートモーティブが5月に実施した新車購入検討者への調査では、56%が「ガソリン価格の上昇によりハイブリッド車やPHEVの購入を検討する可能性が高まる」と答えている。オートブログは、燃費で不利な大型車こそ、GMとフォードの最も得意とする分野であったと指摘する。

もっとも、その大型車が売れなくなったわけではない。GMの発表によれば、第2四半期はGMCシエラが四半期として過去最高を記録し、フルサイズピックアップと大型SUVの販売でも首位を保った。

GM自身は、第2四半期の販売を71万4896台(前年同期比4%減)と発表したうえで、その理由にEV市場の縮小、生産終了車種、一部の在庫制約を挙げている。そのうえで、もう一つ問題がある。燃費を求めて動いた客に、GMが差し出せるハイブリッドがないことだ。