じっくり噛みしめ味わいたい野鳥肉
このように海外から日本に持ち込まれ野生化し、「珍味ジビエ」として食卓に上るのはクジャクだけではない。ペット用途で大繁殖した「アライグマ」は脂の乗った上質な肉として活用されている。観光施設から脱走した小型のシカ「キョン」も、クセのない柔らかい肉質から高級ジビエとして飲食店等で提供されている。
人間の都合で増えた命を食資源として活かす試みは、さまざまな生き物で広がっているが、もし需要が増えると、防除という目的と矛盾してしまう恐れはありそうだ。
実際、海外には、日本(沖縄等)のように「野生化した駆除個体を活用する」形とは異なり、商用目的のインドクジャクの養殖場がある。中国や欧米などでは人工繁殖させて、観賞用・羽毛用・食用(高級ジビエ)として出荷・取引されているケースがあるようだ。
もとは東南アジアだけに生息していたインドクジャク。それが人間の都合で連れてこられながらも、各地でたくましく生き抜く姿にはどこか「あっぱれ」と言いたくなる力強さがある。その数奇な背景ごと、じっくりと噛みしめ味わいたい野鳥肉だ。

