お金が生んだお金が、さらにお金を生む
複利とは、最初の元本とその利子の両方に支払われる利子のことである。複利は投資額を加速度的に増やしてくれる(王様のチェス盤での米粒の増え方のように)。
わかりやすい例を挙げると、今日、1ドルを年率10%の複利で投資運用しはじめたとする。そうすると、10年後には1ドルが約2.6ドル、20年後には約6.7ドル、30年後には約17.4ドル、そして50年後にはなんと117ドル以上になる。図にすると一目瞭然だろう。最初のうちこそ増え方はゆっくりだが、そのうち爆発的になる。
複利について、ベンジャミン・フランクリンは「お金がお金を生む。お金が生んだお金が、さらにお金を生む」といかにも彼らしい簡潔にして要を得た表現をしている。
バフェットは複利装置の邪魔をしなかった
ウォーレン・バフェットは史上もっとも有名な投資家だ。おもしろいのは、彼の伝説的なキャリアが始まるきっかけが、おそらくハーバードビジネススクールから入学を拒否されたことにある点だ。
かわりに彼はコロンビア大学に入学し、そこで出会った名高い投資家のベンジャミン・グレアムに師事する。そして在学中に、自身の投資哲学の根幹を成す信条を持つに至った。その信条とは「本質的な価値」「安全域」、そしてもっとも大事な「複利の力」だ。
長く華々しい投資人生のなかで、彼の総資産は1300億ドル超に達したが、さらに驚きなのは、その大部分が60歳の誕生日以降に築かれたことだ。彼の総資産は30歳の時点で推計100万ドル、45歳の時点で2500万ドル、50歳の時点で3億7500万ドル、56歳の時点で10億ドルだった。
つまり、資産が10億ドルになるまでに約32年(ベンジャミン・グレアムの下で働きはじめた24歳から56歳の誕生日まで)かかったが、そこから1290億ドルに達するまでは、37年しかかかっていない。
史上最高の複利運用装置を生み出してからの彼は、その装置の邪魔をすることなく、ひたすら自分のかわりに働いてもらっていた。

