※本稿は、藤田田『殺されない社長の心得』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。
藤田田が名付けた「日本だけの商品名」
マクドナルドには、独特のシェイクという飲みものがある。私はこれに「マックシェイク」という名前をつけた。アメリカマクドナルドでは、「ミルクシェイク」と呼んでいるが、日本で「ミルクシェイク」というと、従来からある「ミルクセーキ」と混同されかねない。
シェイクは、まったく新しい飲みものである。そこで、日本では「マックシェイク」というネーミングでいこう、と私は新しい名前をつけた。
「マックシェイク」はフローティング・アイスクリームである。アイスクリームには、いわゆるアイスクリームとソフトクリームがあることはよくしられている。第三のアイスクリームがフローティング・アイスクリームである。液体アイスクリームのことだ。
マクドナルドでは、この「マックシェイク」を太いストローで飲ませている。ところが、ストローだと非常に飲みにくい。
母乳を吸うのと同じスピードで飲める
お客さんの中には、飲みにくいからフタをあけてカバーッと飲みたいという人もいるほどである。力一杯吸っても、遅いスピードで、ゆっくりとしか口の中に入ってこない。
なぜ「マックシェイク」がストローで吸っても遅いスピードでしか口に入ってこないようにしているかというと、ちゃんと科学的な理由がある。人間が口の中にものを吸い込むときに、もっともおいしいと感じるスピードは、母乳を吸うスピードなのである。
母乳というのは、36度の体温と同じ温度で、甘くはないものである。飲みものとして考えるならば、摂氏4度に冷やしたコカ・コーラとか、40度以上の熱いお茶のほうが、はるかにうまい。
36度の飲みものなんか、生ぬるい。そんな生ぬるくて甘くもない母乳を、なぜ赤ん坊が飲むかというと、吸ったときに口に入るあのスピードが、うまいと感じられるスピードになっているからだという。
神様が、母乳でも赤ちゃんがうまく飲めるようにスピードに仕掛けをしたらしい。マクドナルドでは、神様が考案したそのスピードを商売に拝借したのである。

