なぜマクドナルドは世代問わず人気なのか。日本マクドナルド創業者の藤田田さんは「マクドナルドの強みは味付けだけでなく、意表をつく発想にある。人間の本能に訴えかける『母乳を吸うスピード』に合わせて設計されている商品もある」という――。

※本稿は、藤田田『殺されない社長の心得』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。

日本マクドナルド
写真=iStock.com/winhorse
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藤田田が名付けた「日本だけの商品名」

マクドナルドには、独特のシェイクという飲みものがある。私はこれに「マックシェイク」という名前をつけた。アメリカマクドナルドでは、「ミルクシェイク」と呼んでいるが、日本で「ミルクシェイク」というと、従来からある「ミルクセーキ」と混同されかねない。

シェイクは、まったく新しい飲みものである。そこで、日本では「マックシェイク」というネーミングでいこう、と私は新しい名前をつけた。

「マックシェイク」はフローティング・アイスクリームである。アイスクリームには、いわゆるアイスクリームとソフトクリームがあることはよくしられている。第三のアイスクリームがフローティング・アイスクリームである。液体アイスクリームのことだ。

マクドナルドでは、この「マックシェイク」を太いストローで飲ませている。ところが、ストローだと非常に飲みにくい。

母乳を吸うのと同じスピードで飲める

お客さんの中には、飲みにくいからフタをあけてカバーッと飲みたいという人もいるほどである。力一杯吸っても、遅いスピードで、ゆっくりとしか口の中に入ってこない。

なぜ「マックシェイク」がストローで吸っても遅いスピードでしか口に入ってこないようにしているかというと、ちゃんと科学的な理由がある。人間が口の中にものを吸い込むときに、もっともおいしいと感じるスピードは、母乳を吸うスピードなのである。

母乳というのは、36度の体温と同じ温度で、甘くはないものである。飲みものとして考えるならば、摂氏4度に冷やしたコカ・コーラとか、40度以上の熱いお茶のほうが、はるかにうまい。

36度の飲みものなんか、生ぬるい。そんな生ぬるくて甘くもない母乳を、なぜ赤ん坊が飲むかというと、吸ったときに口に入るあのスピードが、うまいと感じられるスピードになっているからだという。

神様が、母乳でも赤ちゃんがうまく飲めるようにスピードに仕掛けをしたらしい。マクドナルドでは、神様が考案したそのスピードを商売に拝借したのである。