話し手の目的と温度感を伝える修飾語
相談であればしっかり聞かないといけないし、共有なら話を聞けばいいだけだし、雑談だと仕事モードを緩めて会話してあげる必要もあります。
話しかけた側は雑談したいだけなのに、聞き手が報告だと思うと、「これはつまりなんの話ですか?」や「結論から教えてください」という気持ちになってしまうのです。
枕詞で最初に会話の形式がわかるだけで、聞き手がどんなテンションで、どんなモードで会話すればいいかわかるので、双方に大きなメリットがあります。
より丁寧に伝えたい時は、修飾語をひとつ付け足します。
「2分で終わる相談ですが」
「ただの共有ですが」
「まとまっていない雑談なのですが」
この枕詞を加えるだけで、話し手の目的と温度感が非常にわかりやすくなります。話しかけられる側は、常に“不意に”時間を奪われています。その時間はあらかじめ予定に組み込むことができず、予定が狂っている時間になります。
だらだら10分、15分も話してしまうと、聞いている側は予定に間に合わなかったり、タスクの納期が遅れる場合だってあるのです。「すぐに終わる相談なら聞くけど5分以上かかるなら3時間後にして欲しい」などの事情もあるでしょう。
そのため、この枕詞は「相手への最大限の配慮」としてぜひマスターしてください。
『2分だけ相談です』/『ただの共有なのですが、……』
聞き手は話し手の自信度を読み取る枕詞
(2)期待値を調整する
これは質問に答える際に、発言の期待値や自信度を伝えるために使います。次のようなイメージです。
「これは以前考えたことがあって」
「今パッと考えたことなのですが」
「思考がうまく整理できていないのですが」
これにより、予防線を張ることもできれば、発言のハードルを上げることもできるのです。
この枕詞が付け加わるだけで、聞き手は話し手の自信度を読み取ることができます。「答える側が求めているであろう聞き手」になることができます。
例えば、「思考がまとまっていない」と言われた時は思考の整理に付き合うべきだし、「明確な回答があって」と言っている時はしっかり目に突っ込むべきです。
つまり、潜在的な依頼を汲み取ることができるのです。自己認知と他者認知のズレを埋めるために、非常に有効な枕詞なのです。
部下から上司に使うことが多いテクニックですが、期待値調整におけるメリットは
(1)予防線を張ることによる発言のハードルを下げられる
(2)発言の自信度を伝えることによって精度の高いフィードバックをもらえる
などがあります。ジャストアイディアには甘めにフィードバックされると思いますが、2週間考え抜いたアイディアは厳しさ全開モードでフィードバックが入ります。
なので、厳しいフィードバックが欲しい時はあえて、自信満々であることを伝えるのも、仕事の質を高めるという目的においては有効なのです。
枕詞をうまく取り扱うことで、上司から品質の高いマネジメントやフィードバックをぜひ引き出してください。

