赤字の西友が撤退、後継は現れず
サンモール高砂周辺では姫路市や加古川市を含め、当初からジャスコやダイエーが数多く立地していた。そして1980年代以降、より巨大な競合施設が誕生していく。
姫路市では1993(平成5)年に姫路リバーシティ、加古川市では1982(昭和57)年にニチイ加古川ショッピングデパート(現イオン加古川店)、1984年にニッケパークタウン、1988年にグリーンプラザべふ(現アリオ加古川)がオープンした。さらに高砂市でも1998(平成10)年、アスパ高砂が開業した。
これらの競合施設の煽りを受け、サンモール高砂の核テナントである西友は2014(平成26)年12月に閉店を発表し、2015年末に閉店した。西友は2005(平成17)年頃から赤字が続いていたという。スイミングスクールも設備の老朽化のため、2015年3月に幕を下ろした。
高砂市は西友跡地にスーパーや家電量販店を誘致しようとしたが、首を縦に振るテナントはなかった。専門店として出店していたテナント約30店舗は残ったものの、核テナントが抜けたインパクトは大きく客足が減少。建物の耐震性の問題もあり、2017(平成29)年12月にサンモール高砂は閉館した。
西館は当初、三菱倉庫、西友、マンション所有者で区分所有しており、2016(平成28)年に三菱倉庫所有分と西友所有分が別会社へ譲渡されていた。その後、東館と南館は取り壊されて更地になっている。マンションには現在も住人が暮らしている。西館のみ取り壊されずに残っているのはそのためだろう。
屋根のない「オープンモール」の弱点
サンモール高砂の欠点として、モールの構造が挙げられる。サンモール高砂では開業当時、日本には少なかったオープンモールが採用された。オープンモールとは、通路に屋根のない屋外型のモールのこと。つまり雨や暑い、寒いといった気温の影響を大きく受ける。
オープンモールは、各店舗の出入り口前に広い平面駐車場を備え、目的の店舗に短時間でアクセスできる構造であれば問題ない。スーパーやドラッグストア、100円ショップなど日常利用の数店舗~20店舗くらいをそろえるNSC(小型ショッピングセンター)であれば、むしろ理想的な構造とされている。
しかしサンモール高砂は50店舗以上と店舗数が多く、衣料品や服装品、雑貨など買い回り性の高い専門店が半数ほどを占めていた。車を店舗出入り口の目の前に駐車できる構造でもない。したがって、天気によって購買意欲の落ちるオープンモールは不向きであったといえる。

